晨钟暮鼓(日语短篇诵读精粹第2辑)
作者简介
总主编:吴侃。同济大学教授、博士生导师,二级教授,中国日语教学研究会常务理事。在第一线从事日语教学30余年,培养的学生中提升教授者达十余人。著作:《使用日汉词典》、《日语语法教程》、《高级日语(1-4)》、《日语泛读教程4》、《日语常用分级词汇手册》、《日语古文入门》等。 总顾问:皮细庚。上海外国语大学教授、博士生导师、中国日语教学研究会副会长,上海市通用外语水平等级考试日语专家组组长。著作:《日语概说》、《日语古典语法》、《日汉常用词典》、《日汉大词典》,各种译著达数百万字,出版教材《新编日语语法教程》、《日语》精读第8册(全国重点教材)等。 本册主编:童年,女,1981年11月生。2007年研究生毕业于同济大学日语系。曾留学于日本熊本大学。在高校从事日语一线教育11年,主要担任基础日语、高级日语、日语翻译、日语语法等课程的教学工作。授课风格轻松活泼,深入浅出讲解日语知识,并常穿插日本文化,课堂气氛轻松活跃,深受学生喜爱。独立编著教材多部,参编教材一部,参译2012年外语教学与研究出版社的《新明解日汉词典》。
内容简介
田舎のお母さん 小川未明 奉ほう公こう①をしているおみつのところへ、田舎の母親から小こ包づつみがまいりました。開けてみると、着物がはいっていました。 そして、母親からの手紙には、「さぞ②、おまえも大きくなったであろう。そのつもりで縫ったが、からだによくあうかどうかわかりません。とどいたら、着てみてください。もしあわないようでしたら、夜分でもひまのときに、なおして着てください。」と、書いてありました。 おみつは自分のへやに入って、お母さんから送ってきた着物をきてみました。田舎にいるときには、お正月になってもこんな着物をきたことがなかったと思いました。しばらく自分のすがたに見とれていました③。 ちょうどそこへ、坊ちゃんが外からたこをとりに入ってきて、おみつのようすを見たので、「みつ、それを着ると、なんだか田舎の子みたいになるよ。」といって、笑いました。 おみつも、田舎では美しいのであろうけれど、都ではみんながもっと美しい着物を着ているから、あるいはそう見えるかもしれないと思うと、急にはずかしくなって、 「なぜ、お母さんはもっと派手なのをおくってくださらなかったのだろう?わざわざ送ってくださらずとも④、自分がすきなのをこちらでこしらえれば⑤よかったのに…。」と、心でいいながら、着物をぬいで、行李こうりの中へしまってしまいました。 晩になって、お仕事がおわりました。彼女は自分の部屋へはいってひとりになると、しみじみ⑥として田舎のことが考えられました。行李から着物をとりだしました。 村からあの峠とうげ⑦をこして母親が町へ出て、機屋はたや⑧でこの反物たんもの⑨を買い、家に帰ってからせっせと⑩縫って、おくってくださったのです。そう考えると、また、いくたびかこのぬいかけた着物を手にとりあげて、「娘にあうかしら?」と、首をかしげて見入られたであろう母親のすがたさえ、目にうかんでくるのでした。 おみつは、お母さんの手紙を着物の上で開いて、もう一度読みかえしているうちに、あつい涙が、おのずと目の中からわいてくるのをおぼえました。 「せっかく、送ってくださったのを、気に入らないなどいって、ばちがあたるわ。」 そう思うと、彼女は心からありがたく感じて、すぐにお礼の手紙を書いて、お母さんに出したのでした。 注釈 ① 【名詞】 奉公: その家に住み込んで、召し使われて勤めることを表す言葉。(在雇主家里受其使唤做工;佣工,长工)② 【副詞】 さぞ: 直接見聞していない他人の心中状態についてこうに違いないと思いやる意を表す。(一定……吧,想必……吧)③ 【動詞】 見とれる: 心を奪われてうっとりと見る。(看得入迷,看呆了。呆呆地瞅着。) ④ 【文型】 ~ずとも ◎解説: 「…しなくても」の意味。あとに「わかる」「いい」などの表現が続く。 ◎例文: そんな簡単なことぐらい聞かずとも分かる。/这么简单的事情不用问都知道。⑤ 【動詞】 拵える: 物を作り上げる。製作する。(做,制造)⑥ 【副詞】 しみじみ: 心に深く染み入るさま。(痛切,深切。形容渗入内心深处的感觉。)⑦ 【名詞】 峠: 尾根の鞍部を越える山道を登りつめた所。道はそこから下がりになる。(山口,垭口,隘口)⑧ 【名詞】 機屋: 機を織ることを職とする家。また、その人。(织布匠,织布工,纺织作坊)⑨ 【名詞】 反物: 和服地の総称。(布匹,衣料。和服料子的总称。)⑩ 【副詞】 せっせと: 休まずに一生懸命に事を行うさま。(切切,心情急迫的样子) 【副詞】 いくたび: 多くの回数。いくど。(几度,多次。许多回。) 【副詞】 おのずと: 物事の性質や成り行きに従って自然にそうなるさま。自然に。(自然地,自动地) 訳文 乡下的母亲 小川未明做佣人的小满收到了乡下的母亲寄来的一个包裹。打开一看是衣服。 在母亲寄来的信中写道: 你应该也长个了吧。做得大了一些,也不知道是否合你身。收到了穿上试试看。要是不合身的话,即便是晚上,抽空改一下再穿。 小满去自己的房间试穿了一下母亲寄来的衣服。想着在乡下的时候,即便是过年也没穿到过这么好的衣服。小满看着自己的样子都有些入迷了。 这时候少爷正好从外面进来拿风筝,看着小满的样子笑着说:“小满,你穿这件衣服好像变成乡下孩子咯。” 这件衣服要是放在乡下的话也算好看的,可在城里因为大家穿的衣服更漂亮,也或许这件衣服真的很土气吧,想到这里,小满突然感到了羞耻。“为什么母亲就不能给自己寄一件更漂亮的衣服呢?其实就算不寄,在城里置办件自己喜欢的衣服岂不更好嘛?!”她一边想着便把衣服脱了,收到箱笼里去了。 到了晚上工作结束后,小满一人回到房间,乡下的事情又一点点浮现上来。小满把衣服从箱子里拿出来。 这是母亲翻过山到市集上的织布匠那里买了布,回到家后赶工做好寄过来的。甚至连母亲一边缝一边举起来比量“女儿穿着合身吗”的样子都可以想象得到。那歪着头看得入神的样子如在眼前。 小满把母亲寄来的信放在衣服上又打开看了一遍。不禁泪流满面。“特意寄来的衣服,竟然说不喜欢,真的是要遭天谴的。” 想到这里,她立刻心怀感激地给母亲写了一封感恩信。 《晨钟暮鼓:日语短篇诵读精粹.第二辑》是一本内容丰富、体裁多样的日语短篇诵读精粹。该书由长期在一线担任日语教学工作的教师精心编撰,并由同济大学教授、博士生导师吴侃教授以及上海外国语大学教授、博士生导师皮细庚教授亲自指导与审读。 《晨钟暮鼓:日语短篇诵读精粹.第二辑》中的文章不但富有启发性,而且生动活泼,充满趣味性。除了可以集中阅读外,也可以充分利用碎片时间阅读,以提高时间利用效率。该书适用面广,适合高校日语专业学生、日语二外学习者、日语爱好者、培训机构日语学员和日企工作者等阅读。